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株式会社ゼータは、27歳の谷地前幸市さんが代表を務める若い会社である。もともとプランニングの会社に勤めていたサラリーマンだったが、イタリアンシェフの友人とともに「食を通 じて様々なプロデュースができる会社を作ろう」ということになり、設立に至った。今回は今後のフランチャイズ展開を視野に入れた移動販売車でのパスタの販売を取材してきた。

 

午前11時20分に販売場所となる茅場町のビジネス街の一画に到着。使用している車は当社のルーフアップカー。到着後すぐに車の準備にとりかかる。 サイドドアをオープンにして、販売準備完了。この時点で11時40分。到着から20分程度で販売できる状態に持っていっている。
ルーフアップカーの車内は作業スペースとして十分な高さがあるため、調理を担当する伊東さんも「スペース的な問題はまったくないですね」という。ただし、この日は気温34度。車内で沸騰したお湯を常時炊いている状態なので、とにかく暑い。冬場でも汗をかくほどだとか。ルーフアップ部分は窓があるので、換気はできるものの、この辺は移動販売車として覚悟すべきポイントかも(?)。 パスタを取り扱うだけに車の雰囲気作りも大切。ゼータの車はあざやかなオレンジでカラーリングされており、どこからでも目立つ。固定客をいち早くつかむためにも大切な要素になる。「あ、あの車が来てる!」と分かってもらえる工夫が大切だ。
販売されるパスタはこのようなかわいいパッケージで提供される。防水加工が施された紙のパッケージで、針金でできた取っ手も付いている。若い女性をターゲットにして行くには、味ももちろんだが、パッケージにもこだわりを見せることで、差別 化が可能となる。 現在、テスト販売を行っているのがいわゆるビジネス街の「茅場町」。OLを中心とした需要がどの程度見込めるかという調査も兼ねての選択である。ここは7月いっぱいで終了し、次はさらに若年層を狙って原宿や渋谷などで、お昼以外のアイドルタイムでの需要を調査したいとのこと。

 


●12時15分前後から急に客足が伸び始めて、列を作る状態に。販売期間が短いにも関わらず、すでに常連となっているお客様もいた。やはり女性に人気があるものの、男性客も数多く訪れている。

■自分たちが作ったパスタの味を知ってもらいたい。
最近ではマスコミでも取り上げられるほど、移動販売車の市場が活気づいている。いわゆる「イマドキ」感覚のカフェ風なものから、ヨーロッパのジャンクフードまで、目新しくて、若い世代に受け入れやすい「お洒落」な食べ物や飲み物を扱う移動販売車が増えていることも特徴である。 そんな分類に入るとも思えるのが今回取材させていただいた「株式会社ゼータ」のパスタ販売車である。今年の7月から移動販売車を使って、市場調査も兼ねたパスタ販売に乗り出した。実はこのパスタ、自家製のパスタで、「自分たちが作ったパスタの味を知ってもらう」というのが、この販売での目的でもあるのだ。

■いろんな時間帯でのニーズを把握。
今回、出店したのは茅場町のど真ん中。いわゆるビジネス街のこの場所では「お昼時」のニーズを探るのが目的だという。11時20分頃現地に到着して、さっそく開店準備に取りかかる。作業スペースをつくる伊東さんと、お客様を迎えるための準備を整える谷地前さんというように、二人が作業を分担し、20分程度で準備が整った。ちなみにこのゼータの車の他にも、同じ場所でお弁当の販売業者が3軒出店しているという激戦区。 現段階では市場のニーズを把握することが目的とは言うものの、古参の業者がいるところへ入っていくのは勇気も必要である。知られていない自分たちの味を、何かをきっかけに足を向けてもらわなければいけない。そんな試行錯誤をしていくのも、この場があってこそなのかも知れない。それもやがてノウハウになって、蓄積されていくことだろう。この日提供したメニューは「ゴルゴンゾーラと胡桃のクリームチーズパスタ」、「牛ハラミのアストリチャーナ」、 「カジキマグロと大豆の香草トマトソース」の3種類のパスタ。どれも600円という価格設定。すべてパスタとソースは自分たちの手によるモノ。調査期間ということで数の用意がすくないため、一番人気の「ゴルゴンゾーラ」はあっという間に完売となってしまった。その後も順調に客足が途絶えることなく12時40分頃には全ての商品を売り尽くした。「ここではお昼時のビジネス街で、どのくらいの売上げが見込めるかを判断したい」という谷地前さん。次はお昼時を外した、いわゆるアイドルタイムで、若者の街「渋谷・原宿」などでニーズを把握したいといっている。

■いずれはフランチャイズ展開をしていく。
現在の移動販売は自分たちが目指すビジネスの通過点であるという。自信を持って提供できるパスタとソース。それに、市場で得られた反響を元に、フランチャイズを展開するのが目的なのだ。株式会社ゼータは、食を通 じて、さまざまなビジネスプランを展開する企業。これまでにも飲食店の総合プロデュースやイベント企画に携わったという谷地前さんは、数ある事業の一つの柱として、このフランチャイズ展開を考えている様子である。「巨額の加盟料などをとらずに、必要最低限の資本でできるフランチャイズを考えてます。ウチはそのフランチャイズ先に、パスタとソースを卸して、そこで利益を得ていくというビジネスになる予定です」という。いわゆるフランチャイズというと、おおよそ加盟料としていくらかの出資金を求められるケースが多い。個人が手を出すにしても、なかなか資金面 で苦労をするというのが現状だが、谷地前さんのビジネスが現実のモノとして展開が始まれば、新たにビジネスチャンスを求める人にとっても一つの選択肢になり得るのではないだろうか 。


●左が代表の谷地前幸市さん(27)。右は調理を担当した伊東朋彦さん(26)。若い発想力と行動力が今後の展開を期待させてくれる。
 
 
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